一般皮膚科のご案内
当院では、保険診療を中心とした一般皮膚科を開設しております。
皮膚科全般に対応しておりますので、安心してご相談ください。皮膚疾患には、短期間での改善が期待できるものもあれば、長期にわたって根気強く治療を進めていく必要のあるものもあります。いずれの場合も、患者様のご理解・ご同意を得ながら、丁寧に治療を進めて参ります。
まずは一度ご相談ください。
皮膚は、紫外線をはじめとするさまざまな外的な刺激から、私たちの身体を守ってくれています。
しかし、その刺激に対して防御機能が正しく働かなかったり、防御しきれない刺激を受けたときに、何らかの症状が現れます。
「スキンケアを頑張っているのに」という場合であっても、そのスキンケアが誤っているということもあります。症状が気になったときには、お早めに当院にご相談ください。
皮膚に関するトラブルや主な疾患
下記の皮膚や肌のトラブルに当院では対応しています。
- 湿疹
- 手荒れ(手湿疹)
- ニキビ
- 蕁麻疹(じんましん)
- アトピー性皮膚炎
- かぶれ(接触性皮膚炎)
- 帯状疱疹
- 水虫
- やけど
- うおのめ・たこ
- 多汗症
- 粉瘤
- 脂肪腫
など
湿疹
原因・症状
敏感肌や乾燥肌、アレルギー体質、汗の放置、衣類との摩擦、薬の副作用、自己免疫、ストレス・過労など、さまざまな原因が考えられます。
主に以下のような症状が見られます。
- 皮膚の赤み
- ブツブツ
- 小さな水疱
- かゆみ
治療
飲み薬や保湿剤、炎症を抑えるステロイド外用薬などを使用します。
手荒れ(手湿疹)
原因・症状
主な原因は、水仕事です。皮膚の脂・角質などが落ちすぎて、バリア機能が低下するために、刺激を受けやすくなります。
症状としては、以下のようなものが挙げられます。
- 手の皮膚の赤み
- ブツブツ
- 小さな水疱
- かゆみ
治療
保湿剤、ステロイド外用薬などを使用します。
紫外線療法が有効になることもあります。
ニキビ
原因・症状
ニキビの原因は、皮脂の過剰な分泌と、毛穴の詰まりです。
思春期は脂腺が発達するため過剰に皮脂が分泌されます。大人ニキビの場合は、ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足、紫外線、ストレス、化粧品の刺激などがリスク要因となります。
主に以下のような症状が見られます。
- 毛穴が詰まり、白っぽくなる(白ニキビ)
- 毛穴の皮脂が酸化し、黒い点々が見える(黒ニキビ)
- アクネ菌が繁殖し、赤く炎症を起こす(赤ニキビ)
- 膿が溜まり、黄色っぽくなる(黄ニキビ)
治療
内服薬や外用薬などによる治療が中心となります。
当院では、イソトレチノイン内服、ケミカルピーリングやイオン導入、ピコフラクショナルによる自費のニキビ・ニキビ痕治療にも対応しております。
蕁麻疹(じんましん)
原因・症状
主な症状は、蚊に刺されたような赤い膨らみです。またこれらの症状が急激に現れ、また数分~24時間以内に消失します。
急性蕁麻疹
発症後6週間以内に治るタイプの蕁麻疹を指します。
食品、ウイルス感染、薬の副作用などを原因とします。
慢性蕁麻疹
半数以上が原因不明です。ストレス、過労なども影響しているものと思われます。
治療
抗ヒスタミン薬、アレルギー薬の内服が治療の中心となります。
また治療期間中は、アルコールの摂取、刺激物の摂取、熱い風呂、激しい運動を避けます。
アトピー性皮膚炎
かゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す慢性疾患です。
原因・症状
皮膚のバリア機能
皮膚の乾燥などを原因としてバリア機能が低下することで、アレルギー物質が皮膚から侵入しやすくなります。
アトピー性素因
喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎などが起こりやすい「アトピー性素因」を持っている場合には、その発症のリスクが高くなります。
主な症状は、かゆみを伴う湿疹です。乳児の場合は顔に、小児の場合は関節に、成人では上半身に症状が現れることが多くなります。
治療
保湿剤を用いてスキンケアを行い、バリア機能の回復を図ります。
炎症や痒みに対しては、ステロイドやタクロリムス、JAK阻害剤、PDE4阻害剤などの外用、抗アレルギー薬の内服などで対応します。
紫外線療法、免疫抑制薬、生物学的製剤が有効になることもあります。
かぶれ(接触性皮膚炎)
原因・症状
刺激性による場合
植物、石鹸・洗剤、化学薬品などの刺激は、かぶれの原因となります。通常、接触した部位とその付近に症状は限定されます。
アレルギー性の場合
ラテックス、化粧品、金属など、特定の物質に触れることで起こるアレルギーです。強いかゆみを伴い、症状は広範囲にわたります。
検査・治療
アレルギー性のかぶれが疑われる場合には、パッチテストを行います。
治療では、原因となる物質との接触を避けます。必要に応じて、ステロイド外用薬などによる薬物療法を行います。
多汗症
「多汗症」とは、手のひらや顔、頭部、腋、足裏といったある特定の部位において、日常生活に支障をきたすほどの多量の汗が出ることを指します。
手にした書類を濡らしてしまう、人と手をつなぐのが恥ずかしい、シャツに腋汗が大きく染みてしまうといったことでお悩みの方が少なくありません。
全身でたくさんの汗が出る“汗っかき”とは異なりますが、汗っかきでなおかつ多汗症という方もいらっしゃいます。
症状
小児期に発症し、大人になっても続く
ほとんどのケースで小児期に発症し、その後大人になってからも続きます。
心が敏感になる思春期に、辛い想いをされる方もいらっしゃいます。
多汗がある一方で、汗をかかない時間もある
気温の変化、運動、緊張などをきっかけとして症状が出ることが多くなります。
一方で、常に多汗というわけではなく、汗が出ない時間もあります。
左右対称に、特定の部位で起こる
手のひら、顔、頭部、腋、足裏など、特定の部位で、左右対称に、同時に症状が現れます。
原因
多汗症は、原因が特定できる「続発性多汗症」と、原因を特定できない「原発性多汗症」に分けられます。
続発性多汗症については、その原因の治療・対処を行うことで、症状の改善・解消が期待できます。
治療
外用薬
ラピフォートワイプ、エクロックゲル、アポハイドローションなどの外用薬を使用します。効果や副作用を考慮して使い分けます。
いずれも保険が適用されます。
内服薬
内服薬としては主に、プロバンサインを使用します。1回1錠を、1日3~4回(年齢、症状により調整)経口投与します。
抗コリン薬とも呼ばれます。保険が適用されます。
その他
ボトックス注射では、ボツリヌス毒素から抽出し毒性を取り除いた「ボトックス」を注射することで、汗腺からの汗の分泌を抑制します。
効果は通常、数日以内に現れ、4~9カ月ほど持続します。保険が適用されます。
粉瘤
原因・症状
角質・皮脂がたまった毛穴が袋状に変化し、外からはしこりのように見えます。大きさはさまざまで、直径1センチ程度のものもあれば、放置して10センチくらいにまで大きくなったものもあります。まわりの皮膚との色の違いはありません。
顔面、頭部、首、背中での頻度が高くなります。
治療
治療では手術が必要になります。再発のリスクの低い「切開法」と、傷痕の目立ちにくい「くり抜き法」があり、患者様のご希望に応じて使い分けます。
脂肪腫
原因・症状
皮膚の下にできる脂肪のかたまりです。40~50歳くらいの男性に好発します。
また、背中、肩、首での頻度が高くなります。触るとやわらかい感触があります。神経を圧迫する位置に生じた場合には、痛みを伴います。
大きさは1~10センチとさまざまです。
治療
治療では、手術が必要になります。脂肪腫を覆う膜を切り出し、摘出します。
ごく稀ですが、悪性化することがあり、その疑いがある場合には病理検査を行います。
小児皮膚科のご案内
お子様の皮膚の美しさにびっくりすることがあります。しかし、実は大人と比べて薄く、繊細です。外部からの刺激から守ってくれるバリア機能も不安定です。
当院では、こういった特徴を持つお子様の皮膚疾患の診療を行っております。お子様に皮膚症状が出たときには保護者様も驚くことと思いますが、慌てず、お早めに当院にご相談ください。
保護者の方にも丁寧にご説明します。
お子様の皮膚は、薄いだけでなく、皮脂・水分の量も少なくなっています。
大人以上に、慎重なスキンケアが必要になります。治療やご自宅でのスキンケアの内容について、保護者様に丁寧にお伝えして参りますので、安心してご相談ください。
小児の主な皮膚疾患
- 乳児湿疹
- おむつかぶれ(皮膚炎)
- 水いぼ(伝染性軟属腫)
- 水疱瘡(みずぼうそう)
- 手足口病
- 伝染性紅斑(りんご病)
など
乳児湿疹
症状
生後2~3週間から数カ月の期間は、非常に湿疹の起こりやすい時期です。湿疹のうち、特にこの期間に起こるものを「乳児湿疹」と呼びます。
乳児脂漏性皮膚炎
この時期は一時的に皮脂の分泌が過剰になります。
そのため、頭皮、眉まわり、額、頬などに、かさかさした赤み、赤いブツブツが出現します。
刺激性接触皮膚炎
自分の唾液、食物による口まわりの肌荒れ、あるいはおむつかぶれなどのことを指します。
アトピー性皮膚炎
2カ月以上湿疹が続いている場合には、アトピー性皮膚炎を疑います。
乳児の場合は、かゆみを伴う湿疹が顔に出ることが多くなります。
おむつかぶれ
原因と症状
おむつによる摩擦や湿気、尿・便による刺激などを主な原因とします。
主に以下のような症状が見られます。
- おむつを当てている部分の赤み、ブツブツ、皮むけ
- かゆみ
- お尻を拭くときに泣く
こまめにおむつ交換で予防しましょう
お尻を清潔にすることが何より大切になります。
汚れ・蒸れを防ぐため、おむつを交換するときには、優しく拭いて、しっかりとお尻まわりを乾かしてから新しいおむつを穿かせるようにしましょう。
また、おむつかぶれの予防には、布おむつは適しません。吸水性の高い紙おむつがおすすめです。
水いぼ(伝染性軟属腫)
原因と症状
伝染性軟属腫ウイルスが皮膚に感染することで発生する良性のいぼです。お風呂やプールでの感染、タオルを介しての感染などがあります。
丸く小さいいぼが、全身に現れます。特に、陰部、腋、肘、膝などに好発します。
治療
自然治癒しますが、要する期間は半年~2年と長くなります。引っかいて症状が拡大してしまうこともあるため、いぼの数が少ないうちに治療します。
麻酔テープをして、ピンセットで除去するのが一般的です。痛みが心配なお子様の場合は、ヨクイニンの内服を行います。
水疱瘡(みずぼうそう)
原因・症状
水痘・帯状疱疹ウイルスの初感染を原因として発症します。
赤みを伴う小さな水ぶくれが、全身に現れます。その後数日で、かさぶたへと変化します。
治療
抗ウイルス薬の内服により治療します。