手外科

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手外科とは

手外科とは手外科とは、整形外科のうちの1つの領域です。
肘~手首・指先にかけての外傷や疾患、および変形・腫瘍・神経障害などを診断・治療します。
あまり普段意識することはありませんが、食事、仕事から始まり日常生活のあらゆる場面で機能する「手」は、大変な仕事量をこなすとともに、繊細な動きにも難なく対応しています。その機能の低下は、QOLの低下へと直結します。
手のわずかな不調が握力を低下させタオルをしぼれない、瓶の蓋を開けられない、お箸をうまく使えないといった症状がでることもあります。
手首、手のひら、手の甲、指で異常を感じたとき、物を掴みづらい・瓶の蓋が回せないといった変化に気づいたときには、お早めに当院にご相談ください。

手外科医としての想いや役割

手の疾患の原因の1つに「手の酷使(使い過ぎ)」があります。しかし、だからといって手を使わないでいると、手の機能はますます低下していきますし、日常生活での不便が生じます。
骨折などの場合は一定期間の安静が必要ですが、手の疾患の治療では、早期にリハビリを開始することが非常に重要になります。
当院では、患者様に「痛みなく手が使える」ことの喜びを感じていただくため、適切な治療・リハビリテーションを提供して参ります。

手外科で対応する主な症状

このような症状でお悩みの方は、当院までご相談下さい。

手外科で対応する主な症状

  • 手首、手、指の痛みやしびれ
  • 指を曲げられない、伸ばせない
  • 手首を回すと痛い
  • 親指の付け根が痛い
  • 瓶の蓋が回せない
  • 掴んだ物を落としてしまう
  • 指先で物を摘まめない
  • 握力が低下した気がする
  • 肘、肩の痛みがある
  • 手先を使った細かな作業の困難
  • 手や手指の腫瘍

手外科で対応する主な疾患

 

腱鞘炎(ばね指・ドケルバン病)

腱鞘炎(ばね指)

手や手指を動かす筋肉と骨をつなぐ組織が「腱」です。そして腱を包むのが「腱鞘」です。手の酷使などを原因として、腱と腱鞘のあいだで炎症が起こっている状態を、「腱鞘炎」と言います。
「ばね指」はそのうち、指の付け根で発生するものを指します。指がばねのように勢いよく伸びる、伸ばすときに引っかかった感じがするといった症状が見られます。進行すると、指の関節の拘縮が起こります。

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腱鞘炎(ドケルバン病)

腱鞘炎のうち、手首の親指側で発生するのが「ドケルバン病」です。ばね指と同様、手の酷使を主な原因とします。
手首の親指側の痛み・腫れ、親指を動かしたときの痛みなどが見られます。

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手根管症候群

手の酷使などを原因として、手首の骨と靭帯に囲まれている「手根管」内の正中神経が圧迫される疾患です。
主な症状として、親指、人差し指、中指、薬指(薬指は親指側のみ)のしびれ、痛みが挙げられます。親指の付け根の筋肉の痩せ、手のこわばりがでたりもします。夜間、朝方の症状が強いです。

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肘部管症候群

肘の内側の尺骨神経を傷めたことで、小指側にしびれが出たり、手先を使った細かい作業が難しくなったりする疾患です。放置していると、小指の付け根の筋肉や手の中の筋肉の痩せ、小指・薬指の変形、握力の低下などの症状が現れます。お箸をもてない、よく物を落とすようになったといった症状も典型的です。
末梢神経障害の中では、高頻度で見られます。

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母指CM関節症

手の酷使を主な原因として、親指の付け根の関節(母指CM関節)に痛みや腫れが出る疾患です。
放置していると、親指の動きが悪くなったり、親指が変形してしまうこともあります。

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ヘバーデン結節

指の第一関節(DIP関節)の軟骨が擦り減り、その関節の変形・腫れ・屈曲などをきたす病気です。
はっきりとした原因は分かっていませんが、手の酷使、遺伝、ホルモンバランスの変化などが影響して発症するものと考えられています。

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ブシャール結節

指の第二関節(PIP関節)の軟骨が摩耗し、その関節の変形・腫れ・屈曲・痛みなどの症状をきたす病気です。
ヘバーデン結節と同様、はっきりとした原因は分かっていません。ただ、遺伝、加齢、ホルモンバランスの変化、腎臓機能の低下、手の酷使などが影響しているものと考えられます。

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ガングリオン

内部にゼリー状の内容物が詰まった良性の腫瘤です。頻度が高いのは、手首の手の甲側です。その他、手首の手のひら側、親指の付け根、足首・肘・膝などに発生することもあります。
はっきりとした原因は、未だ解明されていません。

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手首の骨折
(舟状骨骨折・橈骨遠位端骨折)

手首の骨折(舟状骨骨折)

手首にある8つの手根骨のうち、親指側にあるのが「舟状骨(しゅうじょうこつ)」です。舟状骨骨折は、スポーツ中の事故、交通事故などを主な原因として発生します。
親指の付け根の痛み、腫れを伴います。受傷後しばらくすると痛みが和らぐことが多いため、これが治療の遅れにつながることがあります。放置したために偽関節を形成することもあります。

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手首の骨折(橈骨遠位端骨折)

前腕にある2本の骨のうちの「橈骨(とうこつ)」が、手首近くで折れる骨折です。高所からの転落、スポーツ中の事故、交通事故などで強く手をつくことを主な原因とします。骨粗しょう症の方は、つまづいて転倒しただけでも骨折し、特に発症リスクが高くなります。症状としては、手首の付け根の腫れ、痛みが挙げられます。

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TFCC損傷・尺骨突き上げ症候群

前腕にある2つの骨から成る遠位橈尺関節を支える組織をTFCC(三角線維軟骨複合体)と呼びます。
TFCC損傷とは、このTFCCが損傷した疾患です。

原因

主な原因となるのは外傷です。野球、テニスなどによって手首への強い衝撃・繰り返しの負荷によって、TFCCの損傷に至ります。
その他、加齢による変性損傷が原因になることもあります。

症状
  • 動作時の手首の小指側の痛み
  • 手首の小指側を押したときの痛み
  • 包丁を持ったとき、ドアノブを回したとき、荷物を持った時などの手首の痛み
治療

軽度であれば、固定装具、サポーターなどによって安静にすることで改善します。
痛みが強い場合には、ステロイド注射、消炎鎮痛剤注射などを行います。また、これらの保存的治療で十分な効果が得られない場合には、手術を検討します。
再発防止のためのリハビリテーションも重要です。

腱損傷(屈筋腱損傷、伸筋腱損傷)

屈筋腱損傷

筋肉の収縮を骨へと伝える「腱」が損傷することを「腱損傷」と言います。
そのうち、手の各指にある屈筋腱が損傷したのが「屈筋腱損傷」です。切り傷、刺し傷などの外傷に伴って発生するケースがほとんどを占めますが、稀にスポーツにより損傷することもあります。屈筋腱を損傷した指は曲がらなくなり、神経の損傷を伴う場合にはしびれも出ます。専門的な治療を要します。

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伸筋腱損傷

腱損傷のうち、指を伸ばす「伸筋腱」が損傷したのが「伸筋腱損傷」です。切り傷などの外傷、突き指などを主な原因とします。
指を伸ばすことが難しくなります。また神経が損傷している場合には、しびれも伴います。専門的な治療を要します。

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その他

靱帯損傷(PIP側副靱帯、母指MP側副靱帯、PIP掌側板損傷)、リウマチによる関節病変と変形、腫瘍(内軟骨腫、グロームス腫瘍、腱鞘巨細胞腫)、デュプユイトラン拘縮、関節拘縮、神経損傷、断端神経種などにも対応しています。